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2015(平成27)年1月より相続税の改正が適用されます。
その中で、最も大きな改正となるのは、「基礎控除の引き下げ」です。
引き下げにより、今まで相続税が課税対象外だったご家庭においても、
今後は相続税の課税対象となることが考えられます。

1. 相続税の基礎控除額の縮小
相続税の基礎控除が、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」へ縮小されます。
これにより、基礎控除は、現行の6割の金額となります。

2. 小規模宅地等の特例の見直し
特定居住用宅地等の対象面積が、240㎡から330㎡へ拡充されます。
また、特定事業用宅地等と特定居住用宅地等がある場合(貸付事業用宅地等の
特例を受ける場合は除きます。)、それぞれの限度面積まで適用が可能となり、
最大で730㎡まで減額が取れることになります。

3. 相続税の税率構造の見直し
相続税の税率構造が変わります。
現行の6段階から8段階へ区分が変更され、最高税率が50%から55%へ引き上げられます。

4. 未成年者控除、障害者控除の控除額の引き上げ
未成年者控除及び障害者控除の金額が引き上げられます。

5. 贈与税の税率構造の見直し
贈与税の税率構造が変わります。現行の6段階から8段階へ区分が変更され、
全体的に税率は引き下げられますが、最高税率は50%から55%へ引き上げられます。

6. 相続時精算課税制度の見直し
相続時精算課税の要件が見直されます。受贈者の範囲に、20歳以上である孫が追加され、
贈与者の年齢要件が、65歳以上から60歳以上に引き下がります。



茨城本部 香川敦子
記事のカテゴリ:税務情報
平成26年10月17日に所得税法施行令の一部を改正する政令(平成26年政令第338号)が公布され、通
勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
 この改正は、平成26年10月20日に施行され、平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用されます。




改正前の金額と比較してみると、もう一声!!と言いたくなってしまいました(笑)。

ちなみに、電車・バス通勤者の通勤手当についての改正はありません。
最も経済的かつ合理的な経路及び方法による通勤手当や通勤定期券などの金額が非課税限度額で、1か月当たり10万円を超える場合には、10万円が非課税限度額となります。


茨城本部 楢原英治
記事のカテゴリ:税務情報
近年、個人住民税の特別徴収を徹底する自治体が増えてきております。
そもそも個人住民税は納税方法が所得税の源泉徴収と違い、個人が自身で納付する
「普通徴収」という制度が例外的に認められてきました。
例外的にと言いましたが、実際のところ従業員が数人程度の規模の事業所では、
概ね普通徴収で従業員が各々納税をしている事業所が多いのではないでしょうか。
ただ、やはり個人ごとに納税をまかせるとなると、滞納をしてしまう方も多くなってしまう
ということから、このように特別徴収を徹底する動きがでてきました。

埼玉県においては、今月に入り普通徴収を選択している従業員のいる事業所に
各市町村から一斉に特別徴収義務者の指定予告通知書が送付されました。
内容としては、下記のような場合のみ「普通徴収該当理由書」を提出することにより、
当面の間普通徴収が認められるとのことです。
(普通徴収が認められる条件)
・総従業員数が2人以下の事業所
・他から支給される給与から個人住民税が特別徴収されている方(乙欄該当者)
・給与が毎月支給されていない方(不定期受給)
・専従者給与が支給されている方(個人事業主のみ対象)
・退職された方又は給与支払報告書を提出した年の5月31日までに退職予定の方
従って、従業員ほうから自分は今までも遅滞なく納税してきたし、今後も自身で納税する
という理由は通用しなくなり、特別徴収を上記の理由書なく放棄した場合は、
特別徴収義務者として指定された事業者が、従業員から徴収すべき税額を放棄又は
滞納したとみなされ、原則として納期限後20日以内に督促状が発送されます。
そしてそれでも納付されない場合は、事業者に対して滞納処分が行われることとなります。
当然そうなると従業員が納税証明書を取得できない等の不利益を被ることとなります。
細かい点だと、例えば納税額が市県民税の均等割りのみという方については、
最初の徴収月である6月にまとめて特別徴収することとなっておりますので、
この様な方まで特別徴収の対象となっております。また、従業員が10人未満
である事業者は、申請により市区町村の承認を受けることで、年12回の特別
徴収税額の納期を年2回とする納期の特例を受けることができます。
この場合、所得税のそれとは違い、6月から11月までの分については、
12月10日まで、12月から翌年5月までの分については、6月10日までに
それぞれ納入することができます。
 
以上、埼玉県では、平成27年度よりこのように実施されますが、全国的にはすでに
実施している自治体もあり、今後はそのような流れになることは避けられないことと
なりそうです。

埼玉本部 菅 琢嗣
記事のカテゴリ:税務情報
先般記載させていただいております、「NPO法人会計」につき2012年4月1日施行「新会計基準」の
大枠(その3・最終回)を記述いたします。

⑨ その他の事業で得た利益を特定非営利活動に係る事業に繰り入れる場合の表示
活動計算書の「当期正味財産増減額」の上に「経理区分振替額」という勘定を設け、
その他の事業の区分において繰入額分をマイナス計上するとともに、同額を特定
非営利活動に係る事業の区分においてプラス計上することとなる。

⑩ 収支計算書から活動計算書への移行
新会計基準適用初年度の活動計算書の「前期繰越正味財産額」に、適用直前期末の
貸借対照表の「正味財産合計」の金額を記載することが必要となる。

⑪ 期首の貸借対照表・財産目録の引継ぎ
新会計基準適用初年度の貸借対照表・財産目録は、前期末に作成された貸借対照表
をそのまま引き継ぐことになる。

⑫ 「会計の明確に関する研究会報告書」が示す、現状の会計から移行するに当たっての
経過措置
A) 過年度分の減価償却費
従来、減価償却を行っていなかった場合には原則として適用初年度に過年度減価償却費を
計上することになる。
ただし、期首の簿価を取得価額とみなし、当該年度から、減価償却することも容認されている。
この場合の耐用年数は、新規取得時の耐用年数から経過年数を控除した年数とし、その旨を
重要な会計方針として注記することとなる。
なお、従来資産計上せず購入時費用処理したものについては、過年度損益修正益を計上し、
資産計上する必要はない。

B) 退職給付会計導入に伴う会計基準変更時差異
退職給付会計を導入しようとする場合の、会計基準変更時差異については、適用初年度から
15年以内の一定の年数にわたり定額法により費用処理することになる。
この処理は、会計基準変更時に一括して経常外費用の過年度損益修正額として計上することも
含まれる。
また、既に退職給付会計の導入が行われている場合は、従前の費用処理方法を継続する。

C) 過年度分の収支計算書の修正
収支計算書から活動計算書へ変更したとしても、それは制度改正に基づくものであるから、
継続性の原則に反するものではなく、表示方法の変更等について遡って修正を行う必要はない。

D) 正味財産の区分
正味財産を区分して記載する場合も、遡及修正を行う必要はない。

E) 適用初年度における「前期繰越正味財産額」
上記⑩参照

F) 収支予算書及び収支計算書による代替
NPO法附則(平成23年6月22日法律第70号)により当分の間、活動予算書、活動計算書に
代えて収支予算書、収支計算書を作成することが認められている。


東京本部 笠田朋宏
記事のカテゴリ:税務情報
連結納税という制度をご存知でしょうか? 
法人税は、法人ごとに利益を算出し、税額を算出するのが原則です。 
しかしこの連結納税制度というものは 、100%支配関係にあるグループ会社を
1の法人とみなして税額を算出します。 

例えば100%支配関係にある3社があり親法人の利益は1億円、子法人Aの
利益は1千万円、子法人Bの利益はマイナス6千万円とします。
原則では、親法人は1億円に対して、子法人Aは1千万円に対してそれぞれ課税され、
子法人Bについてはマイナスであるため税金は課税されません。
よって1億1千万円に対して課税されます。

ところがこの連結納税制度の場合、グループ全体の利益で考える為、子法人Bの
マイナス分が相殺され、グループの純利益である5千万円に対して課税されます。
上記のようなケースの場合、事務処理負担等を考慮したとしても大きく節税できることは
間違いないでしょう。

今月行われた税理士試験でも大きく出題された注目されている制度です。
組織再編をすることによりグループをシンプルにし、連結納税制度の利用を考えてみるのも
よいでしょう。

詳しくは税理士法人優和にご相談ください。



京都本部 中村真紀
記事のカテゴリ:税務情報
利益を出すにはどうすれば良いか? 答えは2つ。 
売上(収益)を増やすこと。 もう一つは経費(費用)を減らすことです。 
簡単なことに聞こえますが、なかなか難しいものです。 

資本金が1億円以下で一定の法人は、年間800万円までの交際費について
全額損金に算入されます。 以前は1割が損金に算入されませんでしたが、
交際費を使いやすくするような改正が行われました。 

ここで先程の問題を考えてみましょう。交際費が使いやすくなったからと言って、
無駄に交際費を使いまくるといのは最悪ということは誰もがわかることです。
交際費を使う目的は売上の増加を目的として使う場合、売上の減少を防ぐために
使う場合が多いでしょう。
ではその交際費が、本当に売上増加等に貢献しているものなのでしょうか? 
お歳暮お中元などで数年取引がない先に送り続けたりしていないか。
数年間行っていないゴルフ場やリゾートマンションの会費を払い続けたりしていないか。
1万円の利益を出すために2万円を使ったりしていないだろうかなどを検討する
必要があるでしょう。

もう一つ、利益を出すために経費を減らすのは良いことですが、本来使うべきところに
お金を使っていない会社が多いです。 
交際費がゼロとういう会社も問題があると考えます。一席設けることにより仕事の機会が
増えるところ、少額のお金をけちることにより大きな機会損失となります。

経費を減らすことばかりでは、単なる縮小に繋がってしまします。逆に経費を増やすことにより
売上を増加させるといった拡大志向でありたいものです。
仕事が忙しく作業ばかりしている方は、是非一度キーマンとなるべき人に声掛けをして
交際費を使ってみるのも面白いですね。


京都本部 中村真紀
記事のカテゴリ:税務情報
簡易課税制度とは、事業者の基準期間(その課税期間の前々年又は前々事業年度)に
おける課税売上高が5,000万円以下で、その課税期間開始の日の前日までに『消費税
簡易課税制度選択届出書』を提出している場合に、実際の課税仕入れ等の税額を計算
することなく、課税売上高に対する税額の一定割合を仕入控除税額とする制度です。

この一定割合(みなし仕入率)は、卸売業(第一種事業)、小売業(第二種事業)、製造
業等(第三種事業)、その他の事業(第四種事業)及びサービス業等(第五種事業)の5
つに区分し、それぞれの区分ごとに定められています。

簡易課税制度は平成27年4月1日以後に開始する課税期間より改正が行われることと
なりました。

大きく変わるのは金融業・保険業及び不動産業で、現行の第四種事業のうち、金融業
及び保険業を第五種事業とし、そのみなし仕入率を現行の60%から50%とするととも
に、現行の第五種事業のうち、不動産業を新たに新設した第六種事業とし、そのみなし
仕入率を現行の50%から40%とすることとされました。


       {みなし仕入率}
・現行
第一種事業 卸売業        90%
第二種事業 小売業        80%
第三種事業 製造業等       70%
第四種事業 その他の事業     60%
第五種事業 サービス業等     50%

・改正後
第一種事業 卸売業        90%
第二種事業 小売業        80%
第三種事業 製造業等       70%
第四種事業 その他の事業     60% 
第五種事業 金融業及び保険業    
        サービス業等   50%
第六種事業 不動産業       40%(新設)

※保険業には、生命保険業や損害保険業の他、保険代理店が含まれます。
※不動産業には、不動産賃貸業、駐車場業、不動産管理業、土地建物売買業、不動産
 仲介業が含まれます。

前述のとおり、この改正は平成27年4月1日以後に開始する課税期間より適用されますが、
この適用開始日に関しては、経過措置が設けられています。

消費税簡易課税制度選択届出書を提出していない事業者が平成26年9月30日までに
「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すると、届出書の強制適用期間である2年間は
改正前のみなし仕入れ率が適用されることになります。

これに伴い簡易課税制度を選択している会社は、簡易課税制度と本則のどちらが得かを
また検討しなおす必要が生じてくるかと思いますし、これから簡易課税制度の適用を行う
会社は、みなし仕入率の経過措置の利用の検討が必要となります。

選択届出書の提出期限は、基本的には適用しようとする課税期間開始の日の前日までと
なっているため、平成27年4月から簡易課税の適用を開始したければ、平成27年3月中に
検討し、提出有無を決定する、としてしまうと今回の経過措置の適用を受けることができま
せん。

経過措置の適用を受けたい場合には、平成26年9月末までに届出書を提出する必要があ
りますので提出漏れのないよう注意したいものです。


茨城本部 香川
記事のカテゴリ:税務情報
※改正の背景
現状としては、出資持分のない医療法人と出資持分のある医療法人が混在しています。
厚生労働省としては、医療の非営利性を重視して、出資持分のある法人が出資持分のない
法人に移行するよう進めていますが思い通りに進んでいません。
そこで、今回の納税猶予策をきっかけとして出資持分のない医療法人に変更を促したいと
考えています。
出資持分があるということは医療法人に対して財産権を所持していることになりますが、
医療法人の非営利性や公益性を鑑みると財産権を認めたくない(持分なしに移行して欲しい)と
いうのが厚労省側の考えです。

以下の資産を有する医療法人を想定します。

Ex:医療法人の貸借対照表

     資産の部             負債・資本の部
現金預金・・・200百万円    出資持分A・・・100百万円
                  出資持分B・・・100百万円

※改正前後での課税関係の整理
【改正前】
Aが持分を放棄する⇒Bの持分が相対的に増えるためBに対する贈与税が課される。
Aが死亡する⇒Aの相続人A’が相続し相続税が課される。

【改正後】
Aが持分を放棄する⇒Bは贈与税を課されることになるが、一定の要件を満たせば
                   納税を猶予してもらえる。
Aが死亡する⇒Aの相続人A’は相続税を課されることになるが、一定の要件を満たせば
              納税を猶予してもらえる。

※一定の要件とは
・医療法人が認定医療法人であること
認定医療法人とは、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を
改正する法律附則第10条の4第1項に規定する認定医療法人をいう。


・認定医療法人になるには
平成26年改正医療法施行日から起算して3年を経過する日までの間に厚生労働大臣の
認定を受ける。改正医療法施行日は平成26年10月以降を予定している。

※猶予された贈与税・相続税を免除されるには
・認定移行計画に記載された移行期限までに、認定医療法人の持分の全てを放棄した場合

要約すると、持分あり医療法人において一部の出資者が持分を放棄したり、相続が発生した
場合でも、認定医療法人であれば、納税が猶予されます。
但し、猶予された税金を免除してもらうには受贈者や相続人が自身の出資持分を移行期限
までに放棄する必要があります。
なお、移行期限までに放棄しない場合は猶予税額の納税(+利子税)を求められます。

もちろん、国に帰属させるために医療法人を設立・運営している訳ではないと思いますが、
今後の納税対策や事業承継を考えるうえで上記の納税猶予策を活用する方法も有効な
手段として検討するべきと思われます。


茨城本部 楢原英治
記事のカテゴリ:税務情報
現オーナー経営者である父親も永年にわたる経営努力により会社の規模もそれなりとなり、
自身の年齢もそれなりとなると、次の後継者をだれにするか、そして自社株の相続税への
影響といった問題に直面します。
子供が後継者となることが決まっている場合は、相続時に想定される相続税の税率等を
比較しながら自社株の生前贈与を繰り返すことにより、いずれ訪れる相続税の負担を軽減
させることができます。
また、最近では贈与税の納税猶予の特例(特例を受けるためには、先代経営者は贈与時
までに自社の役員を退任する等の要件があります)を利用することによってより一層相続
税の負担軽減ができるようになりました。

ただ、ここで注意すべきこととして「遺留分」の問題があります。遺留分とは、民法において
遺族の生活の安定や最低限の相続人の間の平等を確保するために相続の権利を保障
するものです。
遺留分の額は遺産に一定の生前贈与財産を加え、負債を差し引いた財産である遺留分
算定基礎財産に法定相続分の2分の1(相続人が父母のみの場合は3分の1、兄弟姉妹は
遺留分なし)を掛けて算出されます。
そして、遺留分を侵害された遺留分権利者は、相続開始後に、受贈者・受遺者に対して
「遺留分減殺請求権」を行使することによって、贈与・遺贈財産の返還(又は価額弁償)を
受けることにより、遺留分を確保することができます。
となると例えば、相続人が子供のみ3人。相続財産は、現預金、不動産で5000万。
自社株は、現経営者である長男がすべて事業承継時に贈与を受けておりその当時の
相続税評価額が5000万。
このような場合、生前贈与された自社株は贈与時でなく、相続開始時の評価で計算される
ことから、相続開始時の評価額が現経営者の長男の努力の甲斐あって2億5000万円に
なったとすると、遺留分算定基礎財産は現預金、不動産と合算して3億円となります。
そうなると残り2人の兄弟は3億円の法定相続分3分の1のさらに2分の1にあたる5000
万円を遺留分減殺請求によって確保することが可能となり、長男は株式以外の相続財産で
足りない分については自身の保有する自社株を分散もしくは自身の所有する現預金を他の
兄弟に渡すこととなってしまいます。せっかく自身の経営努力によって会社の株の評価が
あがってもこの様な事態となってしまっては、本末転倒です。

この様な事態に対応するために経営承継円滑化法によって「遺留分に関する民法の特例」を
規定しております。
この民法特例を活用すると、後継者を含めた先代オーナー社長の推定相続人全員の合意
の上で、先代オーナー社長から後継者に贈与された自社株について、遺留分算定基礎財
産から除外(除外合意という)又は、遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の評価
額に固定(固定合意という)することができます。
除外合意をすると後継者が先代オーナー社長から贈与によって取得した自社株について
他の相続人は遺留分の主張ができなくなることから、相続によって自社株の分散を防止
することができます。
固定合意をすると自社株の評価が上昇しても遺留分の額に影響がないことから自身の
経営努力が想定外の遺留分を生みだすといった不条理なことは起こらなくなります。
この民法特例を利用するには、合意時点において3年以上継続して事業を行っている非上場
企業で先代オーナー社長が過去又は合意時点において会社の代表者であり、後継者は合意
時点において会社の代表者で自社株贈与により会社の議決権の過半数を保有しているという
要件を満たした上で推定相続人全員の合意を得て、合意した日から1カ月以内に「遺留分に
関する民法の特例に関する確認申請書」を経済産業大臣に申請し、経済産業大臣の確認を
受けてから1カ月以内に家庭裁判所に申立てをし、家庭裁判所の許可を受けることが必要です。
せっかく相続対策をしたつもりでも思わぬところでトラブルに巻き込まれることもあります。
自社株贈与については、万全の対策をとりたいものです。


埼玉本部 菅 琢嗣
記事のカテゴリ:税務情報
相続税の申告にあたり、ひとつの財産評価の方法によって大幅に税額が変わってしまう
ものの代表格としてまず思い浮かぶのが「広大地の評価」ではないでしょうか。

そのひとつの土地が広大地に該当するかどうかには、いくつかの要件があり、その要件を
すべてクリアした場合に広大地としてその土地を評価することができます。
おおまかに言うと、広い土地を分譲する場合、分譲開発に方法によっては、市町村等の
条例で開発道路を入れることとなっており、分譲する場合その分売れる土地が少なく
なるため、評価が減額されます。
裏を返すと広い土地でも開発道路を入れる必要のない場合は、評価減の対象外と
なります。
例えば商業施設、マンション等については当然開発道路を入れる必要がありません。

過去にこのような事例がありました。
とある納税者が著しく地積の大きい土地について、その周辺地域は、戸建住宅と中高
層住宅(いわゆるマンション)が混在している地域であり、当該土地の近隣の著しく地
積が大きい土地の開発は、分譲戸建開発が主であることなどから、広大地の評価をしました。
しかし、税務当局の見解は、その土地の存在する地域は容積率200%、最寄駅から700m、
本件相続開始前10年間は、500㎡以上の土地に係る建物の建築事例6件のうち、
5件がマンション建築であることなどから、当該土地は、開発道路を入れて戸建分譲する
より、マンションとして分譲するほうが経済的に最も合理的であると判断し、最終的には、
税務当局の主張がとおりました。

ここでいう「マンション」とは、原則として3階建て以上で分譲マンションの他、賃貸マン
ション等も含まれると財産評価基本通達に謳ってあります。
ただ、このようなことを杓子定規的にマンションに適している・していないと判断することには、
些か疑問が残るところです。
というのも、そもそも賃貸マンション、アパートは地主さんが相続対策などの土地の有効
活用のために建てるケースも多く、地主さん達のコストは建築費用、借入利息、固定資
産税等の税金のみであり、相続税の節税にも繋がるため最終的には先祖代々の土地も
守ることができ、キャッシュフローの面からも採算が合うためアパート・マンション建設に
踏み切っているのであって、例えば近隣には3階建て賃貸マンションが隣接しているから
この土地はマンション適地であるといっても実際はこのような地主さんの有効活用がほと
んどである可能性もあります。
この土地をマンション分譲業者が仕入れて建築コストをかけて分譲するときに果たして
採算が合うかとなるとどうなのでしょうか?

ましてや昨今の震災復興需要や今後のオリンピック開催等の影響で鉄筋等の建設
費用は上昇しており、ある程度土地を安く仕入れない限り採算が合うことはなかなか
厳しいのが現状です。
逆に2階建てだからといって絶対にマンション適地でないとも言い切れません。
この様なケースでは、よく「経済的合理性」という言葉を使いますが、一目瞭然で経済的
には合理的だと言えるケースもあるでしょうが大体は「どっちがトク」か?などということは、
実際売却してみないとわからないケースも多いかと思います。
どっちもそれなりに経済的に合理性があるのならば、最後は事例等を用いた理論武装の
精度をいかに高めるかということになるのでしょうか・・・。



埼玉本部 菅 琢嗣
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